空をなくしたその先に
その空も。

正規軍の軍用艦の数において、アリビデイル王国はマグフィレットを上回っていた。

おまけに金に糸目をつけず、当初予想されていた以上の傭兵部隊を集めている。

敗北は確実なように見えた。

状況が悪くなれば、傭兵部隊などあてにはならない。

契約の解除を申し出る部隊が続出し、多額の報奨金でなんとかとどめている有様だった。

研究室でもなかなか成果はあがらなかった。

設備が整い、技術者研究者のそろったセンティア王国でも、完成には数年かかるといわれていた研究だ。

人も設備もないディオの研究室などでは、短期間での完成は無理な話だった。

だんだんと戦火の足音が、ティレントへと近づいてくる。

それをとめられるのは、ディオだけだった。
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