空をなくしたその先に
フォースダイトを作ったことといい、
真水精製機を完成させていたことといい、

古代の人間と現代の人間の間には、
どれほどの差があるのだろう。

生きているうちに、その科学力に追いつくことができるのだろうかと、
ディオが自分に問いかけた時だった。


「はい、到着」


もっと厳重に警戒しなくていいのだろうか。

無人のドアを、ダナがあけた向こうは広い部屋だった。

天井も高い。
普通の家の三階の天井と同じくらいの高さのところに天井があった。

中央に、わずかに発光している緑色の球体。

広い部屋の大部分を、この球体が占めている。


「これがフォースダイト……」

ディオはつぶやいた。

研究室で実験に使っているのは、これよりもはるかに小さなかけらでしかない。

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