空をなくしたその先に
「食べるものはどうしているの?」


ダナが開いたのは、
軍用艦をおりてから数分歩いたところにある小さな扉だった。
その先に続く通路を歩きながら、
ディオはたずねた。

通路の両壁には、ところどころに明かりがともされてはいるが、十分な光の量ではない。

「島内でも作っているけど、
ほとんど地上から買っているわね。

パンを作る小麦だけは、国王陛下から支給されるけど」


食生活は、かなり質素なようだ。
自分の寮の食事と似たようなものなのだろうと、解釈する。


「水は?」

「ものすごい貴重品。
島内に池はあるけど、それだけじゃ足りないし。
でもクーフは恵まれているかしら?」

「なぜ?」

「古代人の機械があるから。
海水から真水を作るのって今の科学力じゃ無理でしょ」


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