空をなくしたその先に
まだ、飛行島から取り出したフォースダイトほどの純度は得られていないものの、

ここ数年の間にフォースダイトの精製方法もかなり進歩していて、

以前よりははるかに純度の高いフォースダイトを作れるようになっていた。

この技術の開発には多額の費用が必要だったが、カーマイン商会のイレーヌが援助してくれた。

ディオの書いた礼状には一度も返事をくれなかったけれども。
彼女にも思うところがあるのだろう。


「あ……」


ディオは自分の記事の次のページに掲載されている記事に目をとめた。


どこかで見たことのあるような気がする顔。

紙面の荒い写真ではわかりにくかったが、記事を読んでそれが誰なのか理解できた。


「ごめん、今から出かけてくる。

戻りは二週間後かな。

そのコーヒー、片づけておいて」

「先生?二週間後って!」


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