空をなくしたその先に
野菜の皮をむいて、刻んで、鍋に放り込む。

それをくりかえして、野菜の山を完全に消滅させる。

煮込んで、味付けをする
あっという間に昼食の時間になった。


「時間通りにできているなんて、珍しいじゃないの」


厨房をのぞいたサラが、
機嫌のいい声で言う。


「ああ、ダナは格納庫から動かないって言っているから

運んであげてちょうだい。

うちの整備係は、食堂で食べるって言ってるから、一人分でいいわ。

私は、勝手にいただくし」


するりとキッチンに入り込んできて、勝手にスープをよそい、パンを取ると食堂へと消えていく。


「あの人も、よく食べるんだよなあ」


と、ほとんど仕事の役には立たなかった本職コックが笑った。
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