それぞれの恋

お嬢さま

私、あなたが好きです

誰よりも


気づいたら目で追ってしまうのです

おかしいでしょ?

私には婚約する相手が決まっていますのに…

どうして私は“お嬢さま”なのかしら

どうしてあなたは“護衛”なのかしら

こんな家に生まれなければ

私はこの想いを告げてもよかったのですか?



いいえ、もし私がこの家に生まれなければ

あなたには出会えなかった

あなたと過ごせなかった

あなたの優しい眼で見つめられなかった


あなたを好きになれなかった


私が結婚するその時まであと少し…

それまではあなただけを愛します

限られた時間だからこそ

こんなにも切なくて愛しいのですね



どうか儚い夢が終わりませんように
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