ストロベリーショートケーキ
 


「あー、あたし今日用事ある」

「俺も、ごめんな」

「私も今日はちょっと…」



だけど3人は用事があるみたいで、断られてしまった。

残るは……



「…なんだよ、その目は」



シンの目をじっと見ていると、嫌そうな顔をされた。



「シンは、どうせ暇だよね?」

「決めつけんなよ」

「えー行かないの?ケーキっ!」



眉毛を下げて、シンを見つめる



「…別に、行かないとは言ってねぇ」



こうしたら結局、来てくれるんだもん、シンは。



「やったあ!じゃあ帰り「寄り道、買い食いは禁止ですよ?赤城さん?」



後ろからぽん、と肩を叩かれて聞き慣れた声が耳に届く。

この…声は……



「すやませんせっ…!」



後ろを振り返ると、2年生の時に担任だった、須山先生が。

生活指導の先生で、すごく厳しいの。



「はい、皆さん席に着いて」

「げ、また担任須山かよ…」

「天宮くん、なにか?」

「やーなんでもないっす」



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