ストロベリーショートケーキ
「じゃ、食ったし帰るか」
「うん」
空になったお皿を見つめて
上着を羽織り、帰る支度をする。
鞄の中からお財布を探そうとすると、シンがそれを止めた。
「こーいうのは、オトコが払うもんだろ」
シンのいつもの口癖。
シンだって、ゆあと同じくらいのお小遣いしかもらってないくせに。
けーちゃんにそれを話したら、『男は女の子の前ではカッコつけたいんだよ』って言ってた。
だからいっつも素直にお礼を言う
「ありがと」
だってそう言うと、いつも満足そうにシンが笑うから。
「あ」
「なに、どうしたの?」
「いや…財布、忘れた…かも」
えーっ
「もう、しょうがないなぁ
じゃあ今日はゆあのオゴリねっ!」
「帰ったら、ちゃんと返す」
「いーよ、そんな」
だってシン、飲み物しか頼んでないじゃん