ストロベリーショートケーキ
 


再び鞄の中に手を入れる。

だけど、探していたものは見つからなくて…



「あ」

「なんだよ」

「あの…お財布…忘れたかも」

「はあ!?」



なっ、なんでないんだろ?

おかしいな、朝確かに机の上に置いて、それから…

それから?

それから、どうしたんだっけ。



「つーか!よく手持ちゼロで帰りケーキ屋さん行こうよ、なんて言えたな」

「だっ、だって…ちゃんとお財布鞄に入れたと思ったんだもん!」



だけど、実際は家の机の上。



「だいたいシンだって忘れたくせに!」

「そっ、それはしょーがねぇだろ!突然だったしっ…」



ぎゃあぎゃあと言い合う



「お客様、店内ではお静かに」



そのせいで、店員さんに注意されちゃった。



「あっ、ごめんなさ…………あ!!!」



店員さんに謝り、顔を上げるとそこには



「けーちゃん!!!」



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