Eternity〜秘密の愛〜


考えるより前に、あたしは家を飛び出していた。



「おいっ、由美!」


「…真衣を探してくるっ」






バタンっと閉められた玄関の扉。




夜の春風は、ちょっと肌寒くて身震いをする。




「真衣、無事でいて。」





心の中で、そう何度も祈りながら心当たりのある場所を探す。






たとえ、あたしと翼を引き離そうとする悪魔であったって、それが実の姉妹であるなら……。





何かあれば助けたいし、あたしが守ろうと思ってしまう。




それは、一種のエゴだと思われてしまうかもしれない。



それでも、あたしは真衣を救いたい。












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