Eternity〜秘密の愛〜



…一歩一歩歩く度に、
ジャリジャリと鳴り響くアスファルト。




あたしが近づくのを、真衣は気付いていなかった。





「……真衣。」





たった一言。



その言葉は、あたしにとって大切で重かった。







「由美姉……。」





真衣はゆっくりと顔を上げて、あたしを見上げる。



その瞳は疲れ果てていて、どこにも光は宿っていなかった。




どこから見たって、その顔は泣いている。





あたしは、そっと真衣の頬に手をやった。





「真衣、一緒に帰ろ。」






どんなに血が通わなくたって、真子も確かに大事な妹。




だけど、真衣も………。













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