ほんわか冬Cafe
ココア
「俺、ビール」


成人式終わりの祝の席


君と会ったのは

高校卒業以来だね


会えなくなって

1年半とちょっと…



会えない時間は

君を大人にさせた



部活帰りに

たまたまバス停で

出くわした君


雪がちらついてきて

寒かったよね


何も言わずに

近くの自動販売機まで走った君


かじかむ手に

差し出されたのは

一本の暖かいココア



覚えてるかな?



「本当はビールよりも…
ココアが好きなんだ」



君が偶然にも

隣に来ていて

耳元で小さく囁かれた言葉



想い続けて…

伝えられなくて…

まだ胸底に想いがある私



もう叶わないと思っていた恋が


歩き出す予感…


必要なのは勇気と決断



「美味しいココアのお店知ってるよ」



ココアのように

甘く…とろける…

恋がしたいよ


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