ウシュクベーハ
よしよし、そいつは俺が一人でぺらぺらとしゃべってるのが気に障ったらしく、いらいらと声を荒げた。
「何だよ、人がしゃべってる時はお行儀よくしなさいって、ママに習わなかったのか?」
「そういうお前は年上の者に礼儀正しくするよう教わらなかったのか?」
「はんっ」
俺は盛大にやつに向かって鼻を鳴らしてやった。
「年上だって?いったいお前、俺様を何歳だと思ってそんなこと言ってんだ?言っちゃ悪いがお前がヨボヨボになって死にかけても俺の歳の」
「ウシュクベーハ」
…俺は黙った。いや、黙らせられた。何たってこの言葉は、俺たち悪魔が大好きな言葉だからな。俺はニヤリと笑ってそいつを見上げた。
「ウシュクベーハ…取引だ、悪魔」
やつは青白い顔を一段と青くさせ、上擦った声で俺にささやいた。