虹色ハート

生後３４日目

　アンナが初めてお洋服を着たよ。
　産まれてから１ヶ月以上もオムツだけで過ごしていました。

　ママが朝の面会に行こうとしてたら病院から電話がありました。
　もしかしてアンナが…。
　恐る恐る電話に出るといつもの看護婦さんでした。
「オシリ拭きがなくなるのでオシリ拭きを持って来て下さい。それといつでもいいんですが、肌着を持って来て下さい。そろそろ着させてあげたいと思います。いきなりですいません。今日じゃなくていいですからね」

　ママは大急ぎで持ってきてくれました。
　そういえば昨日の交換日記にママが『寒くなってきましたね。アンナはいつも裸んぼで寒そう！！』と書いたそうです。
　まさかその言葉がアンナに服を着させるきっかけになったのかな？
　本当は保育器のようなベッドにいるので服が必要ありません。
　むしろ治療の邪魔になるし、管だらけのアンナには着せるだけでも苦労します。
　看護婦さんたちは親心と娘心を考えて服を着せると言ってくれました。
　本当にうれしい。

　それはパパとママがまだ見ぬ赤ちゃんを想像して楽しみにして買った洋服でした。
　ママはたくさん服を買ったのにアンナは着る事がないのかと、何度も可愛い服を見て泣きました。
　でもその服たちにも出番が時がきたのです。

　面会時間にママと看護婦さんとで協力して、初めての肌着を着さていただきました。
　おねえちゃんとおそろいのミニーちゃんの肌着だよ。
　う～ん、淡いピンクはあんまり似合わないかも？
　だって、アンナは病気で険しい表情だし、黄疸で色黒だもんなあ。
　だけど、アンナにはその似合わなさがまたＧＯＯＤです。
　お洋服を着るって楽しいね！

　初めての服を着るパパが眺めています。
　しっかりビデオに撮影してもらいました。
　観たい？
　ダ－メ、恥ずかしいから秘密だよ。
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