美女の危険な香り
「もうすぐ仕事だから。あたし、先に出るわね」


 と言って、洗顔とメイクを済ませていたらしく、慌しく出ようとする。


 俺がその後ろ姿に、


「今度会うの、年末の休みにしないか?」


 と訊いてみた。


 確かに今年二〇〇九年はクリスマスが平日で、大方の会社が仕事だからだ。


「分かった。仕事納めの二十六日ぐらいにケータイに連絡入れるから」


「またメールもくれよ」


「うん。するから」


 千奈美が頷き、部屋を出ていこうとした。


 俺はベッドから起き出すと、彼女に追いつき、ゆっくりと口付ける。


 千奈美も応じ、俺たちはキスを繰り返した。


 それがディープで、愛情を確かめられるものになるまで……。
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