モドリミチ
滲んだ雨音


今を歩く 小さな声が ひきとめる

つめたい道は 足音を飲み込んでいく




雨音の中 電車に乗り込む

どんなに泣いても 眠りについても




全部 夢なら 笑い飛ばせるのに




冷えた空には 何の光もなくて

溶けた闇は 黒よりも深くて




散り散りに落ちた うす白い花びらが

水たまりに まとわりついてた




あなたのくれた くちづけは

いまだ 鮮やかに焼きついてる 




まだ昨日の傷も 乾いてないのに

また 赤く 皮膚を やぶいてしまう








あなたを知らない体が欲しい





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