Boys Kissシリーズ・『オヤジとのキス』
一時間後―。

「…自分自身に限界を感じてきた」

「まだ十六のクセに何を言ってやがる。希望を持て」

淡々と片付けるオヤジ。

だがオレは終わりなき片付けに、めまいがしていた。

「悪ぃ。少し休む」

フラフラと何とか発掘したイスに座る。

「そっか。んじゃ、休むか」

オヤジはこれまた発掘した長ソファーに腰掛け、タバコを取り出した。

「オイッ! 資料にタバコの匂いが移るだろうが!」

「ああ、そうだった」

オヤジはタバコを持って、ベランダに出た。

そして吸い始める。
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