彼氏キケン地帯


今から一緒に帰ろうとしていたときに、「クラス委員は至急、生徒会室に…」という放送が入った。


最近忘れてたけど、尚って優等生くんだった。


真面目な性格で、どこか抜けてるのによく人からなにかしら頼られる。


尚は、クラス委員だった…。



「ぬーん…」


「なにしてんだよ、帰んぞ」


「は?」



当たり前のように、昇降口へと歩き出す尚。


ダルそうに、ポケットの中に手を突っ込んでこちらを振り返る。



「か、帰るって…委員は…?」


「はぁ?サボるに決まってんじゃん。」


「ええ?!」


「俺は、蜜希といる方が楽しいし…幸せ!」


「幸せ!?」



「サボるなんてダメ」って言おうと思ったのに、尚の笑顔プラス『幸せ』にテンションが上がる。


昼休みのあの笑顔。

今目の前にあるこの笑顔。


久しぶりのスマイルが輝かしすぎる!


この不真面目な制服の着くずしと態度にかわっただけだ。


あと、ちょっと…

いやかなりエロくはなったけど…。


でも、尚の口から聞こえるのはどれもあたしが欲しかったものばかりだ。

もちろん、前回のような卑猥な言葉を除いてだけれど。



「かわいー。キスしちゃダメですか?」


ホントはこのノリで「いいよ」て言いそうだったけれど、周りに人が多いから「…だめ」って言ったのに、尚は「ケチ!」なんて言いながらも嬉しそうに笑っていた。




本当などうしたんだ、この子は。




「尚…今日、機嫌いーね」


「うわー。ワザと?それ。もう知ってるし」


「…はい?」

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