勝利の女神になりたいのッ!番外編



その夜、俺の部屋に来た左近様と朱里。


俺を睨みつける二人の迫力は口では表すことが出来ないくらいに恐ろしかった。


昨日話をしたところで今日いきなりの急展開。


怒るのは仕方ないことかもしれない。





でも見ただろ?


殿のお顔。


見なかったのか?


あんなに柔らかい雰囲気の殿は見たことがない。


そうじゃないのか?





心では何とでも言える口も実際には言葉を発することはできるはずもなくうなだれる俺。






「失敗しおって。」


「ほーんと役立たずだよ!」




もう勘弁して欲しい。



そんなに睨まないで欲しいんですけど....。








「でも、これでいっぺんに解決したから許してあげましょうか。」


「そうだな。災い転じて福となすという言葉もあることだし、良しとしよう。」






お二人の演技にスッカリ騙されたとわかった俺はガックリと肩を落とした。




驚かすんじゃねぇよ!!





一括してやった。



もちろん心の中でだけど.....。














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