なんでやねん。
「だってしゃあないやん」
「何がしゃあないねん。俺それずっと食べたいアピールしとったやろ」
「ああ。"食べんの楽しみ"って連呼してたもんなっ」
「それ結構高いんやぞ」
「ああ。結構並んで買ったらしいなあ」
「それを…なんで…お前は」
机の上で頬杖をついていた左手を拳に変えて、涙目で尚もこちらを睨んでくるヒロキ。
え、嘘。うわ、泣いてる!
「ちゃ、ちゃうねんヒロキ!」
「あ?俺が泣いてるとでも思ったんか」
「む。」
仕返しとでもいうようにニヤニヤと笑ったヒロキは
「もうええわ」と前へ身体を向けた。