折れない心
公園の入口から黒い人影が見えた。


真っ直ぐとこちらに歩いて来る。



「紗茅・・・」



「元気だったの?那抖」


「あぁ。ごめんな」



「いいよ。
 全部あたしのせいなんだから。
 で、彼女でもできた?」



嫌なことは早く聞いて、帰ってしまおうと思った。



「違う。顔見たくない
 とか言ってごめん・・・」



「見たくなかったんだから
 しかたないよー。はは」
あたしは笑顔にならない笑顔を作った。


「違うって!
 見たくない訳ねぇだろ!」



「あたし次の日に行ったんだよ?
 そしたら那抖は名雪と楽しそう
 に話してた。
 名雪はよくてどうして
 あたしはいけなかったのよ!」



「おまえに来るなって
 言ったのは・・・」



「言ったのは?」


「右手が麻痺して
 動かなくて・・・」



「え・・・?」



「リハビリしてたんだ」



「何?どういうこと?」
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