☆小悪魔*天然わんこが同居人☆
『……』
体育座りで体を小さくしたまま、ココアが入ってるカップを両手で握り締めて、紅の言葉を待つ。
「逃げてるだけじゃ、駄目なんじゃねぇの?」
『……っ、』
「自分でも思ってんだろ。このままじゃ駄目だって」
『…でも、こわ「恐い恐いうるせぇな、男なんだから最後までカッコよくビシッとしろよ」
驚いて紅を見上げると、ふんっと口端を上げて笑っている。
「もしも!!振られたらちゃんと慰めてやっから。話もいっぱい聞いてやる」
『…べ、紅いぃー!!』
ふわっと笑って優しく呟く紅に、とうとう僕の涙腺が壊れた。
「げっ…!!何泣いてんだよ、抱きつくなー!!」
『うわあぁあっ…!!僕、美玲ちゃんも大好きだけど紅も好き!!……美玲ちゃんの次だけどっ…』
「いや、1番だったら気持ちわりぃよ…」
ありがとう。
紅のおかげで僕、決めたよ。
今度は逃げたりしない。
ちゃんと美玲ちゃんと向き合って、告白の返事をもらうね。