子供＋大人＝恋？の方程式

「ほら、いるだろ？　

本当はうれしいのに、逆に嫌がるフリをする奴。

こいつがそうなんだよ。

素直になるのが恥ずかしいんだよな？」





　今までに見たこともないほどの笑みを見せられて、あたしの顔は引きつった。


　なんだ？


　この気持ちの悪い笑顔は。


　それに、あたしは別に、そのツンデレとかいうやつじゃない。


　素直に嫌がっているから、嫌がっている態度を取るだけ。


　妙な脚色をつけないでよ。





　あたしは圭くんを一睨みしてから、必死に首を横に振る。


　その時に見せた圭くんの威圧的な視線。


　目だけで人を殺せるよと思うぐらいの視線に、あたしはピタリと固まった。


「全く茅乃は、素直じゃないんだから。

な～…」





　にっこりと微笑まれ、もう大丈夫と安心したのかあたしの口から手を離した圭くんは優しくあたしの頭を撫でた。





　くそっ、触るな！





　思わず反射的に、頭に触れる圭くんの手を振り払ってしまったあたし。


　すると、すぐさま圭くんの氷の刃のような冷たい視線が刺さる。