子供+大人=恋?の方程式
「そうだ! じゃ~ん!」
突然、何か思い出したのかジーンズのポケットから何かを取り出した誠はテーブルの上にそれを置いた。
「チケット?」
俺は四枚のチケットの内の一枚を取り、見る。
それはここ最近開業した今人気のテーマパークのチケットだった。
「うわっ、これってこの前オープンした奴じゃん。
お前、これをどこで手に入れたわけ?」
こういうものに前々から興味を持っていた雅紀は目の色を変えて誠を見る。
「それは、まあ、身内の伝手ってやつ?」
「なんだよ、親父さんからかよ」
入手経路がわかった瞬間、雅紀の興味はそがれたみたいだった。
それもそのはずだ。
誠の親父さんは、かなり有名企業の社長をしている。
つまり、誠はそれなりのボンボンって奴だ。
だけど、本人はそれを鼻にかけてもいないし、どちらかというと庶民感覚だったりする。
だからか、俺たちはそれなりに仲良くしていた。
雅紀のことだから、それなりのルートで手に入るのなら、その入手経路を知りたかったのだろうが、誠の親父さん経由だと、個人的に手に入れることはできないとわかったのだろう。