ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
私は周囲の木、5〜6本にも同じ術を施した。どの方向から侵入されてもいいように、用心のためである。

術をかけ終わった私は、一番茂みの深い場所へと入っていった。

ここならば乱雑に生えている雑草などの影に隠れることができるため、万が一敵が近付いてきたとしても見つけられにくいだろう。

その上術をかけながら携帯していた空の袋には、落ち葉も拾い集めていた。これを野宿場所に敷き詰め、寝袋代わりにするのだ。

一応寝袋は常備していたが、このような場所ではいつ魔物に襲われるか分からない。咄嗟の時に身動きが取れないと困るので、いつも戦闘態勢を崩さずに仮眠している。

本当なら私もこんな場所での野宿はあまり気が進まなかったのだが、この暗闇の中を無闇に歩き回って魔物に見つかるよりはまだ良い。
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