社長の息子と恋
『…直哉先輩………』
「おい。」
突然後ろから聞こえた冷たい声に、火照った体が一気に冷えた。
ゆっくり振り向くと、心吾が眉間に皺を寄せてだるそうに制服のまま片手にビニール袋を持って立っていた。
『心吾………』
今の見られて―……
「こんなとこでいちゃついてんじゃねぇよ。
うっとうしい。」
カァッと赤くなる顔。
「これ、お袋がお前ん家にって。」
ビニール袋をあたしの方へしかめっ面で突き出す。
『…ありがとう…』