社長の息子と恋
ビニール袋を受け取ると、クルリと後ろを向いて歩いて行く。
その後ろ姿を、直哉先輩の事を忘れてぼんやり見ていると、突然心吾が振り向いた。
ビクッとして、固まっていると、心吾がふてぶてしくポケットに手を入れたまま驚く事を口にした。
「おい、直哉。
俺はお前らが幸せになって欲しい、だなんて思ってねぇからな。
つーか…早く別れろ。」
またクルリと何事もなかった様にスタスタと歩いて行ってしまった心吾をあたし達は無言で見つけた。