社長の息子と恋
『………でも……』
「そんなウジウジした心亜ちゃんは嫌い。
早く!」
直哉先輩に思いきり頭を下げると、あたしは走って心吾の家に向かった。
ごめんなさい、直哉先輩。
あなたは本当に優しい人。
どうか、幸せになって。
心吾の家に着くと、チャイムを鳴らすとここちゃんが出た。
「あれ、心亜ちゃん。
おすそ分け届いたぁ?」
『ここちゃん!
心吾は!?』
「あれ?
さっき心亜ちゃん家に行かせたっきりだけど…。
会わなかった?」