社長の息子と恋



…家に帰ってないの?


『ここちゃんありがとう!』


それだけ言うと、あたしは走った。


心吾、どこ?
心吾が行きそうな所…


なんとなく近くの公園に向かうと、ジャングルジムの上に見慣れた後ろ姿を見つけた。


ゆっくりジャングルジムに近づくと、心吾がいる所へ静かに登った。
音に気付いて心吾はあたしの方を見た。
驚いた顔をして、慌ててあたしの方へ手を伸ばした。


「アホ!
そんな制服のスカートでこんな所登って来んじゃねぇよ!」


久しぶりに触る手にドキッと胸を鳴らして心吾の横に座った。


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