社長の息子と恋
それほど高くないジャングルジムに二人で座っているだけなのに、この世に二人しかいないみたいに静かだった。
「…何しに来たんだ?
せっかく家まで直哉に送ってもらったんだろ。」
『…心吾はさ、あたしが直哉先輩の事好きだと思ってる?』
「は?
当たり前だろ。」
『だよね…でもあたしがずっと好きだったのは違うんだよ。』
心吾があたしを見たのを確認して、ニコッと笑って前を見た。
『心吾はあたしとはもう前みたいな幼なじみにはなれないって言ってたよね。
あたし傷付いたけど、今はあの言葉のおかげで言いたかった事が言える。』