彼は教育実習生


こうして翌日、坂本先生の実習も終わりを迎え、我が高校を去って行った。

最後まで目を合わせる事が出来なかったけど、サキが言うには、私の事を心配そうに見ていたらしい。

サキにはあの日家に帰ってから、泣きながら電話して聞いて貰った。

私の気持ちはすべてお見通しで、最後にワザと2人きりにしてくれたらしい。

「よく頑張ったね」と誉めてもくれた。

サキは「全く素直じゃないんだから」とか「私の怖さを思い知らせてやるわ」とかブツブツ言ってたけど、私には全く意味が分からなかった。

私の初恋はこうして終わりを迎えた。まだ心が張り裂けそうだけど、サキが隣で笑かしてくれるから私も少しは笑えるようになっていった。

先生、本当に大好きでした。夢のような時間をありがとう…





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