意地悪王子とお姫様


「…ねぇ、答えてよ」


「…ちがっ…んっ…」


答えたいのに答える時間さえくれない。

そのまま、押し倒されてしまった。


「こういうことするの好きだもんな?」


そう言って、あたしの首筋に舌を這わせる。


「…ゃっ…、好きじゃ…ないっ…」


「いつも喜んでるくせに」


咲貴君はスカートを捲りあげてきた。

そっと、あたしの太ももに触れる。


「……んっ…やぁ…」


「あいつにもそんな顔したわけ?」



今の咲貴君は、すっごく意地悪だ。

あたしは声をこらえて、必死に首を振った。



「ちゃんと答えろよ…」


そっと口づけをして、あたしを見つめる。


「してないもんっ…。確かに…昨日キスされたけど…」


咲貴君の顔色を伺いながら、恐る恐る小さな声で言った。


< 176 / 275 >

この作品をシェア

pagetop