彼女が死んで一年がたちます
 「それで、あって思った。

 急にヒートアップしてた自分に気づいたんだけど、もう取り返しつかなくて。

 あいつの頬真っ赤になってた。

 それなのにあいつあっちゃん、ごめんねって涙ためて言うんだ!

 俺何も言えなかった。

 謝りたかったけど、そん時はあいつと別れたくないって方が強くて意地張ってた。

 もう一度よく考えろって言った。

 俺自分のことばっかりで…

 一晩たって明日また会えば何とかなるって思ってた。

 あいつ無理に笑顔で、ごめんね、私の気持ちは変わらないよって!

 私まだ用事あるからって…。

 あんな分かれ方無いよ、もっと、もっとなんかあったよな。

 俺がちゃんとしてれば、もっともっと…」


 晃はうつむいてもう一言も言わなかった。
 
 一年間、その間こいつはこのことを黙っていた。

 一人で悩んでいた。だれも晃を責める者はいない。

 「だからか、あの時里美様子がおかしかった」

 そう口を切ったのは千恵だった。
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