Tea Time Romance
「あら……綺麗な押し花」

「恥ずかしいな……見られたか」

「何か想い出でもあるんですか、その花に」

「……失恋した想い出がね」

 慌てて手帳をしまう僕を見て、彼女がくすくすと笑う。

「待たせたわね、先の仕事が押していて」

 ここの女社長がドアを勢いよく開け、部屋へと入ってくる。あいかわらず豪快な人だ。
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