Tea Time Romance

2.

 無事契約が終わり、僕は汗を拭きふき書類を鞄にしまう。
 そして秘書嬢が出してくれた紅茶に手をつけようとした。

「いつもはコーヒーなのに……
 紅茶扱っている人なんだから、飲み飽きているでしょう」

 社長がカップを持ち、一口ふくむ。
 秘書嬢はかけていた眼鏡を外した。

「見本でいただいたハーブティがおいしかったものですから……
 こういう飲み方もあるんですのよ、社長」

 その声の調子に、僕は思わず彼女の顔を見つめた。
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