Tea Time Romance
「……マスターの言う通りになっちゃったな」

 僕は半ば照れながら頭をかいた。

「あの店であなたに会うのが嬉しくて……
 そしてこの気持ちが恋なんだって気付いて、それからは海ばかり見ていたわ。
 どうしようもない想いを悟られたくはなかったから」

「あの雨の日……
 あなたに抱かれたくてあの場所にいったのかもね、私」

 その時の事を思い出したのか、彼女の頬がほのかに紅く染まる。
 僕も胸の高まりを押さえきれずにいた。
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