Tea Time Romance

3.

「泣いたのよ、あなたが辞めたって聞いて。
 半分あなたに会いたくて、あの店に通っていたんだから……」

 屋上で風に吹かれながら、彼女が微笑む。
 髪がたおやかに風になびく。

「自分で言うのも変だけど……お嬢さんだったのよ、私。
 親の決めた縁談にも疑問一つ持たなくて。
 それも私の人生なのかなって思っていた。」

「……でもあの店に通ううちに、それは間違いだって事に気付いたの。
 恋愛一つせずに終わる人生なんて虚しいでしょ?」
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