【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「……今から帰るつもり、なわけ?」
「だって……帰らないとしょうがない、でしょ?」
ようやく重なった気持ちを確認するように、何度となく唇を重ねたあと。
今更ながら恥ずかしくなって、琉聖君の腕の中から抜け出そうとしている私に、不機嫌そうに尋ねてくる。
「風呂入って暖まったのに、意味ねーじゃん?湯冷めして、風邪引いたりするかも」
コロッと人が変わったかのように言葉に出して心配してくれる琉聖君に、私の方が恥ずかしくて堪らなくなる。
人って一度素直になると、こんなにも素でいられるモノだったのか、……と考えてしまう。
「で、でも……」
「今日は、ココに泊まるしか選択肢無いんじゃねーの?」
「……え、」
「雪の日は、寂しくないように一緒にいてくれんだろ、湖都?」
最後の最後にそんなこと言われたら、イヤなんて言えるわけがない。
今にも緊張で震えそうになりながらも、コクン…と頷くと琉聖君は笑っていて。
「じゃ、とりあえずオレを暖めてよ?」
ベッドに押し倒されていた。
外の雪を忘れ溶かすほどに、甘い蜜月はすぐそこまで来ているのかも――…
END.
