私、海が見たい
ミニバスには興味がないのか、
黙りこむ恵子に、
中村は話題を変えようとした。
「ところで、ここへは、
どうやって、来たのん?」
恵子は顔を上げ、中村を見る。
「兄に送ってもらったの」
「じゃあ、帰りは・・」
「何とかなると思うわ」
「いや、そん時は、俺が送ったるわ。
そや。どこか、ドライブにでも行こか?」
恵子が明るい顔になる。
「仕事は?」
「大丈夫や」
「そう、それじゃあ…………」
少し考えていた恵子は、
「私………、海が見たい」
「よし、行こう」
中村が立ち上がる。