12月24日
気がつくと、両手いっぱいに紙袋を持っていた。
さすがにこれでの移動は15歳のあたしでもきつい。
てか、第一アタシは運動はじゃぁないんだよ。
仕方なく家に帰った。

帰り際に麗に
「泊まりに来ない?」
って誘われたけど、
「ごめん、さすがにこれじゃぁね。」
と断った。
本当は、こんな理由で断ったんじゃない。
今日は“店”に行かないといけない。
家に着くなり、アタシは着替えを持って家を出た。

「サキぃ-!!遅いよぉ-、、。」
“店”に着くなり先輩のカオリさんがあたしを呼んだ。
あたしの名前。ココでは「サキ」になる。
アタシは、偽名を使っている。

もし、町で出会ったりしたら、大変だからだ。

アタシは、すぐに真っ赤なドレスに着替えて表へでた。
「スミマセン、、、。遅れました。笹木サン!」
笹木建一。この“店”の店長。


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