魔界の恋模様

「ありがどっ…ぅ…っく」

「やはり涙もろいのではないか」

もう否定ができない。

認めるよ!
私は涙もろいですっ!

そして一度泣きだすと最低5分は泣き続けますっ!

「ほら、行くぞ」

ひょいっと大魔王さんが私を持ち上げた。

「…重い、んで…しょ?」

言ってたもん。
初めて会ったとき、言ってたもん。

『お前、重い』

って…。

「あんなのは嘘だ。…半分本当だが」

…あの?
聞こえてますけど。

半分本当って。

どっちですか?

「…後ねっ!…大魔王さんの、妃宣言…しちゃったの!」

あ、だいぶ落ち着いてきた。
それを見計らってか大魔王さんが多分、城の方向へと歩きだす。

…とゆうか。
我ながら恥ずかしいことを言ってしまった…!

「…そうか」

嫌だよね、そうですよね!
私みたいなちんちくりんとじゃ嫌ですよね!

「なんなら本当になってみるか?」

「…え?」

ぐっと大魔王さんの顔が近づいてきたのが分かった。





< 15 / 46 >

この作品をシェア

pagetop