魔界の恋模様
「ありがどっ…ぅ…っく」
「やはり涙もろいのではないか」
もう否定ができない。
認めるよ!
私は涙もろいですっ!
そして一度泣きだすと最低5分は泣き続けますっ!
「ほら、行くぞ」
ひょいっと大魔王さんが私を持ち上げた。
「…重い、んで…しょ?」
言ってたもん。
初めて会ったとき、言ってたもん。
『お前、重い』
って…。
「あんなのは嘘だ。…半分本当だが」
…あの?
聞こえてますけど。
半分本当って。
どっちですか?
「…後ねっ!…大魔王さんの、妃宣言…しちゃったの!」
あ、だいぶ落ち着いてきた。
それを見計らってか大魔王さんが多分、城の方向へと歩きだす。
…とゆうか。
我ながら恥ずかしいことを言ってしまった…!
「…そうか」
嫌だよね、そうですよね!
私みたいなちんちくりんとじゃ嫌ですよね!
「なんなら本当になってみるか?」
「…え?」
ぐっと大魔王さんの顔が近づいてきたのが分かった。