Ｉ －私－

「はっ！はい！！幼馴染だったんです・・。」



「そうだったのか・・・世間は意外と狭いな。」



少し、自嘲気味に言った。



「あの・・彩子ちゃんのお兄さんなら是非聞いて欲しい話があるんです！！」




「彩子の事で何か手がかりがあるのか！？？」



と武さんは机に身を乗り出した。





「手がかりというかその、・・・」


というところで私はなかなか言い出せなかった。




自分の妹が殺人事件の主犯かもしれないと聞いたら武さんはきっとものすごくショックを受けるだろう。



それに加え、その妹が死んでいるという事実も話さなければならない。



それを聞いた武さんの心情を考えるとなかなか言葉が出てこなかった。