自分探しの旅
店内はかすかにBGMが流れていた。京介はぼんやりと、それに聞き入っていた。
『そうか。こういう時のために大黒天があるんだ。』
京介は大黒天を取り出し、じっと見つめる。
『円心・・・教えてくれ円心・・・』
やがて円心の姿が暗闇の中に浮かんだ。
『京介・・・答えは自分の中にある・・・自分を信じよ・・・』
円心の言葉に、京介は藁をもつかむ思いだった。
『自分の中に答えがある・・・』
言われるがままに目を閉じ、ゆっくりと息を吐いてみる。雑念が次々と流れては過ぎてゆく。心の奥深く奥深くへと入っていく。いつしか京介と円心は一つになっていく。
「いさりびの あかきみたまに ひとのよの ともというべの あそのいでたち」
自分でも気づかぬうちにあの歌を唱えていた。京介は、現実に引き戻されて歌の意味を考えてみた。
『あそのいでたちか・・・まさか阿蘇に小笛があるというわけでもなかろうに。』
そう思いながらもいったんは安易な考えを自らうち消してみた。だが席を立ち上がった時は、もう心が決まっていた。
『よし・・・行ってみるか、阿蘇に。』
『そうか。こういう時のために大黒天があるんだ。』
京介は大黒天を取り出し、じっと見つめる。
『円心・・・教えてくれ円心・・・』
やがて円心の姿が暗闇の中に浮かんだ。
『京介・・・答えは自分の中にある・・・自分を信じよ・・・』
円心の言葉に、京介は藁をもつかむ思いだった。
『自分の中に答えがある・・・』
言われるがままに目を閉じ、ゆっくりと息を吐いてみる。雑念が次々と流れては過ぎてゆく。心の奥深く奥深くへと入っていく。いつしか京介と円心は一つになっていく。
「いさりびの あかきみたまに ひとのよの ともというべの あそのいでたち」
自分でも気づかぬうちにあの歌を唱えていた。京介は、現実に引き戻されて歌の意味を考えてみた。
『あそのいでたちか・・・まさか阿蘇に小笛があるというわけでもなかろうに。』
そう思いながらもいったんは安易な考えを自らうち消してみた。だが席を立ち上がった時は、もう心が決まっていた。
『よし・・・行ってみるか、阿蘇に。』