自分探しの旅
第22話 「幽玄」
次の日、京介と由香里は熊本空港のロビーで二人を出迎えた。出口では次々と人が出てくる。その中に混じって龍仁と吉村の姿があった。
「あっ、京ちゃん。あの人が吉村さんね。話のとおりそっくりだわ。」
最初に二人を見つけたのは由香里だった。吉村は茶系の帽子を深めにかぶり、やや大きいサングラスをかけていた。が、京介と瓜二つのその風貌は、由香里にしてみれば一目瞭然だった。
「龍さん。」
京介はそう言ったきり次の言葉が出てこない。京介にしてみれば何年かぶりの再会のように思えてならなかった。
「うん。うん。」
龍仁はそんな京介を見て、ただうなずくだけだった。
「とにかく小笛のある場所に行きましょう。」
吉村はそう言って、由香里の実家にと買ってきたおみやげの紙袋を由香里に手渡した。
ときわ旅館の文字の入った白いワゴン車は、四人を乗せて阿蘇神社へと向かった。
「龍さん・・・どうして消えてしまったんです。」
京介は、ハンドルを持つ手に心なしか力が入る。
「あっ、京ちゃん。あの人が吉村さんね。話のとおりそっくりだわ。」
最初に二人を見つけたのは由香里だった。吉村は茶系の帽子を深めにかぶり、やや大きいサングラスをかけていた。が、京介と瓜二つのその風貌は、由香里にしてみれば一目瞭然だった。
「龍さん。」
京介はそう言ったきり次の言葉が出てこない。京介にしてみれば何年かぶりの再会のように思えてならなかった。
「うん。うん。」
龍仁はそんな京介を見て、ただうなずくだけだった。
「とにかく小笛のある場所に行きましょう。」
吉村はそう言って、由香里の実家にと買ってきたおみやげの紙袋を由香里に手渡した。
ときわ旅館の文字の入った白いワゴン車は、四人を乗せて阿蘇神社へと向かった。
「龍さん・・・どうして消えてしまったんです。」
京介は、ハンドルを持つ手に心なしか力が入る。