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「 ひとり、か.. 」


ひとりで帰るのは、
2年生で潤が入学して以来
初めてだったから、

少し寂しい。


玄関まで降りると、
陽が短いせいかすでに
夕日が私を包んでいた。

下駄箱で靴に履き替えると、
うしろから大きな影が
来たのがわかった。


振り向くと陽太がいた。


「 陽太、 」


それから私は一緒に
陽太と帰ることになった。

というか、話してたらいつの
間にか一緒に帰ってた。

徒歩通学の私と
自転車通学の陽太。

陽太は自転車を押してながら
帰ってくれた。


「 あ、そういえば
真奈とどうなったの? 」

「 あー…真奈、とは
この間別れた 」

「 嘘!まだ1ヶ月も
経ってないよね、 」


陽太はこの間まで
隣のクラスの真奈と
付き合っていた。

真奈は一言で言うと

男子から見たらアイドルで
女子から見たら敵。

そんな真奈だから
それは学年中の噂だった。


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