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「 ラブレターだったりして 」

「 今時下駄箱にラブレター…
さすがにないでしょ 」


なんて陽太と冗談を
言いながら、中身を開けた。


〝陽くんへ〟


「 〝陽くん〟?! 」


明らかにそれは
女の子の文字だった。

陽太の顔を見ると、
喜んでいるのかと思ったら、

どうしてか真剣な表情。

私はその手紙を覗き込んだ。


〝久しぶりだね。
ありさだよ!

驚いた?

実はね、先週長崎から
帰ってきたんだ。

今日この学校に転入
することになったんだ。

よろしくね!
あと、あたしまだ陽…〟


次の瞬間陽太はその手紙を
無言で折りたたんでから
ポケットにしまった。

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