ファーストキスは蜜の味。
「紗枝ってね、気難しいヤツとつきあってんだ。
自分の仕事が忙しくなっても相手に甘えられないし、たまにああやって情緒不安定になるんだ」

ああやって、っていう言葉が、このまえのことを指してるんだってすぐにわかった。


「だからそういうときほっとけなくて、かまってたんだ。
――…遅い日は迎えいったり、食事したり」


あたしは少しだけうなずいた。

そんなあたしをみて、白石さんがやわらかく微笑んだ。


いままでみたこともないような、優しい笑顔。

きっと徳さんのことを想いだして、笑ってるんだろうな。


こうやって想われる徳さんがうらやましい。

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