ファーストキスは蜜の味。

白石さんはそのあとバイクで家まで送ってくれた。

公園でわかれてもよかったのに、女の子を遅くまでつきあわせたから、とか律儀なことをいいながらバイクを走らせた。


さっき感じた背中の印象と違って、いまは少しだけ落ち着いている。


それはたぶん、白石さんとあたしが似た境遇だから…
――…スキな人に認められない、曖昧な関係。


びゅうびゅう風がヘルメット越しに流れて、まわりの音がなにも聴こえない。

これがバイクのいいところなのかな。


一人の世界になりたいとき、バイクは最適かもしれない。

車だと無音の密室空間で、居心地がよくて、つい考え事をしちゃうから。



「そこの十字路まがったとこが家です」

「あー、わかった」

雑音で聴こえにくいから叫びながらいうと、白石さんも顔をこっちに向けて叫んだ。



ってか危ないですって!!

ちゃんとまえみて運転してくださいよ!!

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