オトコノコの気持ち!
バーのカウンター席に座って、組んだ脚の足首から下を上下に揺らして遊んでいる。
あたし達からたった1mくらいしか距離がない位置にその人はいて、黒瀬はそれが嫌だというようにさりげなく少し後退した。
「だってさー、あんな初々しい子達、接客したら絶対楽しいじゃん?この前なんかドSの客当たっちゃって、美人だったからちょっと調子のってたらヒドイ目合ってさー」
「あれはホストクラブでもないのに先輩がアフターサービスするからでしょ」
「つまり俺もあんな風にキャーキャー言われたいの」
黒瀬の台詞はもろシカト。
もしかして、いやもしかしなくても絶対めんどくさいタイプの人だこの人。
だって最後の“言われたいの”の言い方がそうだもん。乙女くさかったもん。佐々木先輩タイプだ。
そしてこれ、さっきからあたしに話してる感じなの?
「てか君可愛いねー。巧のカノジョ?」
「たくみ?」
「俺のこと」
そんな怠そうに……、
なんかもはや“彼女”のフレーズに否定する気力もなさげだ。どんだけ苦手なんだろう。
ていうか黒瀬って巧っていうんだ!初耳!