世界の穴に
星ができたわけ
昔むかし、私達が生まれるずっと前のお話。

月には、ふたごの弟がいた。
二人はとても仲が良く、いつも寄り添っていた。

ところがある日、困ったことが起きた。
弟が、あまりにも大きくなりすぎたのである。

なんとか成長を止めようとしたが、弟はどんどん膨らんでいく。

そしてとうとう破裂してしまった。

そのことを大変悲しんだ月は、弟を悼んで夜にしか顔を出さなくなった。

また自分のまわりに弟のかけらを撒き、いつも側にいられるようにした。

その弟のかけらが、空に輝く星であるという。
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